島根大学 島根大学教育センター

島根大学 島根大学教育センター

オンラインで飛躍した多拠点医学臨床実習プログラム(2020島根大学内分泌代謝内科臨床実習報告)

For Medical student

オンライン多拠点医学臨床実習プログラムとは

ICT(情報通信技術)のメリットを最大限に活かすことにより、 1病院のみの臨床実習では叶えられなかった充実した教育内容を実現できました。 複数大学の教員や学生との情報共有やディスカッションを通して様々な視点から学べるため、 実際の診療に近い実践力の育成が可能となりました。 さらに海外施設との連携により拠点を増やすことで、 グローバルに活躍できる医師の育成が期待できます。
学生の所属大学とその近隣の病院での臨床実習しかできない!多拠点共同教育プログラム

共同プログラム

最先端の研究成果の相互発信
各大学(拠点)で推し進めている最先端の臨床および基礎研究のレクチャーを大学を超えて実施することができました。
それぞれの大学に所属する学生は自校だけでは学ぶことのできなかった様々な臨床研究について直接専門医から講義を受け、質疑応答をすることが可能になりました。
学生による英語論文読解・プレゼンテーション
大学毎に学生同士が共同で、症例報告英語論文を読み込み、ディスカッションをしたうえでプレゼンテーション資料を作成し、発表します。このグループワークを通して症例を深く理解することが可能となりました。さらに、他大学の学生、教員の前で発表しディスカッションし合うことで、刺激となり学習意欲の向上にもつながりました。
教員による主要雑誌(Nature、Science、Cell)の論文紹介
教員による詳細な論文紹介によって、最新の研究トレンドを理解することができます。また,英語論文の読み方も学ぶことができます。
各大学(病院施設)間での情報共有
現在起きている医療課題(新型コロナウイルス感染拡大下における診療状況など)を情報共有行うことができるようになりました。その上で,今後の対策についてディスカッションすることで幅広い視野を養い、先を見据えた対策を検討することが可能となりました。

学⽣授業評価アンケート

  • 他⼤学の先⽣⽅や学⽣さんと交流することで、すごく良い刺激になりました。
  • 今後このような講義形式が増えて、どんどん他⼤学との情報共有などできていったら良いかもしれないと思いました。
  • 複数⼤学の先⽣や学⽣が同時に議論することで、様々な意⾒や質問を聴くことができてよかったです。
多様な症例の実習ができない!仮想(バーチャル)症例
  • 複数のバーチャル症例を作成し、各学生のローテーション期間に経験できない症例を提示しカバー
  • 日々の自己学習課題
  • オンラインによる若手医師への相談、教官の頻回フィードバック
  • 実際の診療に近い実践力を育成した

  • 提示スライド例

  • 提出課題スライド例

Moodle使用

現病歴」スライド受け取り
問診・診察計画」作成・提出
身体所見」スライド受け取り
検査計画」作成・提出
検査データ」スライド受け取り
診断と治療方針」作成・提出
経過」スライド受け取り
質問」作成・提出
まとめ」スライド受け取り

学⽣授業評価アンケート

  • ⼀⽇ごとに所⾒が分かっていき、鑑別を考え診断に⾄るまでのプロセスを学ぶ上で、とても勉強になりました。
  • 他の⼈のスライドを⾒ることができ、⾃分のスライドと⽐較できたのもよかったです。内分泌疾患についてある程度網羅的に勉強できたのである意味web症例の利点だったと思う。フィードバック時の匿名化の配慮もありがたく、間違いを恐れずに書けました。また「間違えても評価に影響しない」というお⾔葉は、⼩さなことですが、すごく安⼼できました!

成果

  • 疑似体験ではあるが、仮想の症例で実際の診療のように、⽇々情報を提⽰、診療計画作成などの課題を提供することで、実際の診療に近い実践⼒を育成した。
  • 実臨床では経験できる症例に偏りがあるが、これを是正できた。
  • オンラインによるフィードバックを頻回に⾏う事で、双⽅向性授業を⾏う事ができた。
  • 学⽣提出課題を⾒せ合う事で、学⽣同⼠もインタラクティブなコミュニケーションをとることができた。
学生が受け身がちだと深く学べない!症例検討会での臨床的疑問の解決
  • 講座で⾏っている症例検討会にオンライン参加し、質疑応答を⾏った。
  • 事前に渡している症例にそった⾃⼰学習テーマを学⽣が⾃主的に抽出し、学習結果の発表機会を提供した。
  • 学生のプレゼンスライド

学⽣授業評価アンケート

  • ⼀⽇ごとに所⾒が分かっていき、鑑別を考え診断に⾄るまでのプロセスを学ぶ上で、とても勉強になりました。
  • ⽣⽅や優秀な5年⽣の前で発表するのは緊張しますが、そういった緊張感があったことで、論⽂の読み込みに精が出ました。いつものことですが、質問されてもうまく答えられないことが多いので、いつか慣れればいいなと思っています。
  • ⾃分の疑問(おそらく専⾨医の先⽣⽅にとっては⾃明であり些細なものだったかと思われますが)について⾃由に調べることができたのは楽しく、また⾃⾝の勉強 になった。

成果

  • 症例の理解のみならず、 異なる学年の学⽣相互で発表する事により、学習意欲を維持・向上できたと考えられる。
  • 学習テーマを学⽣⾃ら決定すること、さらにプレゼン形式も⾃由にすることにより、学⽣各々のレベル・興味に沿う事ができた。
オンライン化する事で問題点を解決オンデマンド動画閲覧/フィードバック
動画イメージ
  • 複数のレクチャー動画を作成し、オンデマンド配信を⾏った。
  • 動画の内容は、学⽣の希望も聴取し作成した。
  • 教授によるフィードバックの時間が増えた(レクチャーの時間を短縮する事ができ、フィードバックに時間を増やす事ができた)

学⽣授業評価アンケート

  • 録⾳済みのレクチャーだったので、ライブのオンラインレクチャーと異なり⾳声の乱れもなく集中して聞きやすかった。 分からなかった箇所を聞き直したり、⾃分の予定に合わせて勉強することができて便利でした。
  • 内容がわかりやすく、フィードバックの時間が設けられているのが良かった。⾒返せる、速度の調節ができるという点でも動画配信スタイルは⾮常に満⾜度が⾼い。

成果

  • アクティブラーニングを⾏う事ができた。
  • レクチャーに充てていた時間をフィードバックに充てる事ができ、より充実した双⽅向性レクチャーになった 。

島根大学でつながる学び