「お金をかけずに海外へ行く方法も自分で探せる」
北海道のプログラムで出会った凄腕大学生たちに刺激を受けた島大生
法文学部 2年 Sさん
「大学生活の中で、できる限りの挑戦をしたい」と笑顔で語るSさん。1年生の時に、北海道・小樽での学外プログラムに参加しました。初めて出会う他大学の学生たちとの交流や、濃密なグループワークを通じて、Sさんが得た「新たな視点」と「自分自身の成長」について伺いました。
「まずはやってみよう」無料のチャンスに飛び込んだ北海道
去年参加された、北海道での学外プログラムについて教えてください。
北海道の小樽市が抱える観光や環境などの地域課題について、他大学の学生と一緒に解決策を話し合い、最後にプレゼンテーションを行うというプログラムでした。課題ごとに6つほどのグループに分かれて行う、本格的なフィールドワークです。
このプログラムに参加しようと思ったきっかけは何だったのですか?
もともと色々なことに挑戦するのが好きなタイプなんです。今回のプログラムは3日間の短期集中型でした。「もし失敗したとしても、たった3日間のこと。楽しければ最高の思い出になるし、しかも無料で参加できる!」と思ったんです(笑)。自分にとってはメリットしかなくて、応募しない理由がありませんでした。
実は高校生になるまでは、そんなにアクティブなタイプではなかったんです。でも、高校の時に「どうしても海外へ行きたい!」と思い立って、1ヶ月間の短期留学に挑戦したことがあって。その時に「不安だったけれど、思い切って一歩を踏み出してみたら、想像以上に楽しかった」という成功体験ができました。それ以来、「迷ったらまずはやってみよう」というマインドが身についた気がします。
「島根にいるだけでは出会えなかった」全国の凄い学生たち
プログラムの中で、特に印象に残っていることはありますか?
プログラムの内容そのものも楽しかったのですが、全国から集まった他の大学生たちとたくさんお話しできたことが、私にとって一番の大きな財産になりました。夜ご飯の時にみんなでジンギスカンを食べながら、「大学で普段どんなことしてるの?」と聞いてみたんです。そうしたら、島根で普通に過ごしていたら絶対に出会えないような、ものすごい経験をしている人たちばかりで驚きました。
具体的に、どのような学生がいたのですか?
例えば、海外留学に何度も行っている人がいました。その人は、自分で徹底的に調べて「無料で海外に行けるプログラム」などを探して、金銭的に親に負担をかけずに挑戦しているんです。他にも、企業のアンバサダーを務めている人や、1ヶ月間の長期滞在ボランティアに参加して、その活動の看板広告に載っているような人もいました。さらに、4ヶ国語を操るペラペラな子もいて……。
島根にいる時の私は、「授業を受けて、バイトをして」というのが普通の大学生だと思っていました。でも、全国にはこんなにアクティブに、自分で考えて行動している同世代がいるんだと知って、大きな衝撃を受けました。「自分ももっと色々な活動をしてみたい!」と、心の底から刺激をもらいました。
プログラムの中では、どのような学びがありましたか?
限られた時間の中で、プレゼン資料の精度をどれだけ高められるかというワークだったのですが、ここで時間管理の大切さを痛感しました。ディスカッションの中で、私が次々と新しいアイデア(A案、B案、C案……)を提案しすぎてしまったんです。みんなで「A案で行こう」と決まったのに、私が「でも、こういう視点もあるからB案はどう?」と言って、話し合いが振り出しに戻る。さらに「やっぱりC案の方が良くない?」とひっくり返してしまって(笑)。
結局、どの案にするかを決める部分に一番時間を使ってしまい、肝心の「選んだ案を具体的に練り上げる時間」が足りなくなってしまいました。今もしあの時に戻れるなら、どの案でもいいからまずはパッと一つに決めて、その内容を深めることに時間をフルに使います。「時間が限られている中で、最大の成果を出すためにどう動くべきか」を学べた、本当に良い経験でした。
学年が上の先輩たちとグループを組むことに、難しさや不安はありませんでしたか?
私のグループの先輩方は3年生の頼もしいお二人でした。それまでに色々なプログラムを経験してきている凄腕の先輩たちだったので、私が色々と意見をひっくり返してしまっても、優しく受け止めて綺麗にまとめてくれたんです。私自身は1年生でしたが、お二人が上手に引っ張ってくれたおかげで、萎縮することなく自分の意見をどんどん言うことができました。「1年生だから力不足かも……」と不安がる必要は全くなくて、むしろ先輩たちの胸を借りるつもりで飛び込んでみたら、得られるものが本当にたくさんあります。
このプログラムに来る学生たちは、みんな自分から高いモチベーションを持って参加しているので、たとえ意見がぶつかっても、お互いを尊重して建設的な話し合いができます。勇気を出して自分の意見を伝えた方が、頭の中もすっきりして良いワークができると実感しました。
今回の経験は、これからの大学生活や将来にどう活きてきそうですか?
「大学生活の中には、自分が思っている以上にたくさんのチャンスがある」と気づけたので、これからはもっと能動的に情報を取りに行こうと思っています。高校生の時に留学して以来、海外が大好きで、将来のキャリアも海外に関わる仕事をしたいなと考えています。ただ、長期留学などは費用が高額で、頻繁に行けるものではありません。
でも、今回出会った先輩たちのように、自分でたくさん調べて、奨学金や企業の手厚いサポートを利用すれば、経済的な負担を最小限に抑えて海外へ行く方法がいくらでもあると知りました。今は、そういった無料や低価格で行ける海外プログラムを自分で一生懸命探して、チャレンジしているところです。これからも大学生活の中で、できる限りのチャレンジをたくさん積み重ねて、自分の将来の可能性を広げていきたいです!
「後悔したくない」から一歩を踏み出す。
フードバンク活動で知った、社会とつながる面白さ
法文学部 2年 N.Kさん
大学生活はたった4年間。その時間をどう使うかで、これからの人生は大きく変わるはず。「とにかく濃密な時間を過ごし、後悔したくない」と語るNさんは、学生主体でシングルペアレント世帯を支援する活動「FBI(フードバンク・イニシアティブ)」で中心的な役割を担っています。活動にかける想いや、そこから得た自身の変化についてお話を伺いました。
ボランティアのつもりが「運営側」へ。偶然から始まった挑戦
まず、Nさんが活動している「FBI(フードバンク・イニシアティブ)」について教えてください。
一言で言うと「学生が主体となって、社会にある課題を解決していこう」という理念のもとで活動している団体です。具体的には、シングルペアレント(ひとり親)世帯の方々に焦点を当てて、フードバンクの運営をお手伝いしたり、ひとり親家庭のお子さん向けのイベントを企画・実施したりしています。
この活動に参加したきっかけは何だったのですか?
実は、最初は本当に「偶然」だったんです。高校の時に地理の授業でフードバンクについて学んで、少し興味を持っていたんですよね。大学に入ってから先生に「今度、懇親会があるから行ってみない?」と誘われて、軽い気持ちで参加してみたら……気づけばボランティアではなく、活動を企画する「運営側」に巻き込まれていました(笑)。
「大学進学」という選択肢をすべての子どもたちへ
春には、子どもたちを大学に招く「オープンキャンパス」のようなイベントも企画されたそうですね。
はい。本当は冬の間に松江キャンパスを紹介する企画をやりたかったのですが、準備期間が足りなくて。それなら春休みにやろう!ということになって企画しました。統計データなどを見ても、ひとり親世帯の大学進学率は全体平均と比べて少し差があるのが現状です。経済的な理由ももちろんありますが、そもそも子どもたちの環境の中に「大学に進学する」という選択肢自体が最初からないケースも少なくありません。
だからこそ、実際に大学に来てもらって「大学ってこんなに楽しいところなんだ」「いろんな勉強ができるんだ」ということを肌で感じてほしかったのです。子どもたちに「大学に行く」という未来の選択肢を届けることが、この企画の一番の目的でした。この企画を含めたこれまでの活動が評価され、2025年には大学の「SDGsユニット」で初となる最優秀賞をいただくこともできました。一緒に頑張ってくれたメンバーには本当に感謝しています。
スティーブ・ジョブズの言葉が変えた、自分のマインド
お話を聞いていると、非常にアクティブに行動されていますが、そのモチベーションはどこから来ているのでしょうか?
僕の根底にあるのは「後悔したくない」という強い気持ちです。高校生の時に、スティーブ・ジョブズがスタンフォード大学の卒業式で行ったスピーチを知りました。「もし今日が人生最後の日だとしたら、私は今日やる予定のことを本当にやりたいだろうか」という言葉に、すごくインスピレーションを受けたんです。
人間、いつ死ぬかなんて誰にも分かりません。だからこそ、受け身でいるのではなく、能動的にいろいろなことに挑戦しようと思うようになりました。先輩から「これお願いできる?」と言われたら、まずは「はい、やります!」と答えて飛び込んでみる。そのマインドが、今の活動の原動力になっています。
学内だけでは得られない「社会人との関わり」が刺激に
活動を始める前と今とで、自分自身にどんな変化がありましたか?
もし、ただ大学の講義に出て単位を取るだけの生活をしていたら、今の自分とは全く違う景色を見ていたと思います。一番の変化は、活動を通じて多くの社会人の方々と深くお話しする機会が増えたことです。同世代の大学生同士の会話も楽しいですが、社会で活躍されている方々は、また全く異なるバックグラウンドや視点を持っています。その多様な価値観に触れること自体が、僕にとって大きな刺激ですし、これからの活動や人生のヒントになっています。
「失敗はただの経験値」フットワーク軽く生きるコツ
Nさんのように、フットワーク軽く(フッ軽に)行動できるようになるコツはありますか?
それははっきり言えます。「失敗を恐れないこと」です。失敗を怖がって行動しないと、選択肢がどんどん狭まって、気持ちもシュッと萎んでいってしまいます。でも、失敗って結局のところ「次に成功するための経験値」でしかないんですよね。
ゲームに例えるなら、敵に負けても経験値は手に入ります(笑)。僕自身、活動の中でチラシのサイズを間違えたり、コピー機の使い方が分からなくて30分以上格闘したりと、小さな失敗はたくさんしています。でも、そこでやり方を覚えれば次は間違えない。そうやって失敗から学んでいけば、すべてがプラスの経験に変わります。
最近は、サークル運営の中でメンバー間のコミュニケーションや関係性の構築など、新しい壁にもぶつかっています。これも組織として動くからこそ直面するリアルな課題ですが、お互いの思いをヒアリングしながら、システム思考で解決していきたいと考えています。こうした葛藤も、すべて自分の血肉になっていると感じます。
後輩たちへ:自分なりの「充実」を考えて、今しかできない挑戦を
最後に、新入生や後輩の島大生に向けてメッセージをお願いします!
まずは、大学生活でしかできないことをたくさんやってほしいです! ボランティアなどの堅い活動に限らず、「朝までカラオケする」だって、今しかできない大切な経験の一つだと思います(笑)。大切なのは、自分にとっての「充実した大学生活」って何だろう?と、自分なりに一度しっかり考えてみることです。そして、それを具体的にして行動に移してみる。
誰かに言われたからではなく、自分の意志で選択をしていかないと、後々「あの4年間は何だったんだろう」と後悔することになってしまいます。せっかくの大学生活です。失敗を恐れず、フットワーク軽く、今しかできない挑戦をたくさん楽しんでください!
「迷ったら、やる!」
憧れの先輩を追いかけて見つけた、自分の成長と新しい私
法文学部 3年 N.Y. さん
学内・学外を問わず、驚くほどの行動力で様々な活動に飛び込んでいるN.Y.さん。地域の農家と消費者をつなぐボランティア「かけはし」の活動や、学生主体の「MATSUE学生祭」の運営、そして「トランスボーダー・プログラム」でのフリースクールとの連携プロジェクトなど、そのバイタリティの源泉と、活動を通じて得た自身の変化についてお話を伺いました。
「農家さんの熱い思いを伝えたい」地域をつなぐ架け橋としての挑戦
まず、N.Y.さんが力を入れて取り組んでいる活動について教えてください。
主に2つの活動に力を入れています。1つ目は、高校時代からの延長でもある「かけはし」という活動です。これは「農家さんと消費者を繋ぐ中間役」として、地元の農産物の魅力を発信していく取り組みです。
具体的には、農家さんのところへ行っていただいた食材を調理し、レシピや美味しさを伝える文章を添えてSNSで発信したり、JAしまねさんと協力して西条柿の広報をリニューアルしたりしています。今は、若い人から高齢の方まで幅広く楽しんでもらえるお茶(茶葉)の新商品のパッケージ開発にも取り組んでいます。
高校生の頃からこの活動を続けようと思ったのはなぜですか?
高校の授業で行った課題探究がきっかけでした。そこで多くの農家さんの「熱い思い」に触れて、もっと色々な農家さんと知り合いたい、その魅力を広めたいと思うようになったんです。
実は、私自身も将来は農業の道に進みたいと考えています。農家さんたちと関わっていく中で、朝が早かったり大変な部分もありますが、家族との時間も大切にしながら農業の魅力に向き合える素晴らしさを知って、「農業っていいな」と自分の将来の視界が大きく広がりました。
コロナ禍を乗り越え、自分たちの手で作り上げる「学生祭」
もう1つの活動である「MATSUE学生祭」についても教えてください。
松江学生祭は、学内だけでなく地域の方々とも関わりながら、みんなで作り上げていくお祭りです。もともとはコロナ禍で先輩たちの発表の場がなくなってしまったことをきっかけに、「自分たちの手で新しいお祭りを作り上げよう」と始まった活動で、今年で5年目を迎えます。
島根大学や島根県立大学の学生、地元の高校生だけでなく、松江出身の大学生など、島根にゆかりのあるメンバーが全国から集まっています。毎年、その年のリーダーたちの思いを大切にしながら、少しずつ内容をリニューアルして更新し続けている、エネルギーのあるイベントです。
「憧れの先輩のようになりたい」が、私の行動力を支える原動力
本当に多忙なスケジュールをこなしている印象ですが、手帳を使ってスケジュールを徹底管理されているそうですね。
そうですね、私は予定を「書いて覚える」タイプなので、手書きの手帳にタスクやスケジュールをびっしり書き込んで管理しています(笑)。
そこまでN.Y.さんを動かす、モチベーションの源は何なのでしょうか?
実は私、もともとは人と話すのがそんなに得意ではなくて、できればずっと家にいたいタイプだったんです(笑)。
でも、大学に入って「地域人材育成コース」に参加した時、前に立って先生のように堂々と、ものすごく上手に話をされている先輩の姿を見たんです。その瞬間に「かっこいい!私もこんな人になりたい!」と強く憧れを抱きました。
そこから、その先輩の背中を追いかけるようにして松江学生祭の運営に参加したり、主体的な活動にどんどん飛び込んだりするようになりました。私のモチベーションは、間違いなく「憧れの先輩に近づきたい」という思いから始まっています。
子どもたちとの触れ合いで、自分の思い込みに気づいた
学外活動の「トランスボーダー・プログラム」では、フリースクールでのプロジェクトに挑戦されたそうですね。
はい。学校に通うのが難しい子どもたちのキャリアの選択肢を広げるための教材(ゲーム)開発に取り組みました。
プロジェクトを通じて、N.Y.さん自身にはどのような変化がありましたか?
実際にフリースクールに行って子どもたちと向き合うまでは、勝手な偏見で「みんな暗い雰囲気なのかな……」と思い込んでいたんです。でも、実際に話してみると本当に明るくて、すごく楽しそうに色々なことを話してくれました。自分の思い込みに気づかされ、ハッとさせられた瞬間でした。
後輩たちへ:「やらない」からは何も生まれない。迷ったら「やる」を選んで!
最後に、後輩の島大生に向けてメッセージをお願いします!
私がいつも後輩たちに伝えているのは、「もし何かに迷ったら、必ず『やる』方向を選んで進んでほしい」ということです。
何かチャンスが目の前にある時、「やらない」を選んでしまったら、その瞬間に何も生まれません。でも、「やる」を選べば、たとえ後から「ちょっと違ったな」と後悔することがあったとしても、そのプロセスの中で得られる学びや気づきが絶対にたくさんあります。もし違ったら、その時にまた新しい道を選べばいいんです。
一歩を踏み出して、全然違う場所へ行って、色々な人と出会って話してみる。そうすることで、「自分ってこういうことが好きなんだ」「こんな選択肢もあるんだ」と、今まで知らなかった自分や未来に出会えるはずです。皆さんもぜひ、恐れずにたくさんの「やる」を選択していってください!